賞金の授与式も終わり、この後パーティーをとアナウンスがされる。表彰台に立つセドリックにハリーが近づき、おめでとうと笑いかけるとセドリックはフラーたちと意味ありげに視線を交わし、一つ頷く。
「おめでとうセドリック!」
「ありがとうハリー。さて、この一年間変なのに絡まれながらも頑張ったハリー。君が持つにふさわしいよ」
3人で話し合って、3人誰がとっても君に渡そうと思っていたんだ、とセドリックはハリーを表彰台に引き上げ、トロフィーを持たせる。
「え、え??」
「一番鮮やかに卵を取ったんだ」
いい飛びっぷりだったとクラムが拍手を送る。
「あなーたはわたーしの代わりに妹を連れて戻ってきまーした」
マーピープルらに邪魔されながらも、とフラーが微笑む。
「いくらそれが手っ取り早いとしても、囮となって行動するなんて勇気ある行動さ」
君はいつだって勇気をもって挑んでいた、とセドリックがハリーの背を叩く。
突然のことに驚くハリーだが、バグマンは感動のあまり声が出ない様子で、もろもろの事情を知った生徒らもワーッと歓声を上げた。息子の件でこの催しが終わったのちに懲戒処分となったクラウチもどこか不承不承のような、規則を破ることに何か言いたげな、複雑そうな顔で拍手を送っており、彼らもわかってのことらしい。
目を白黒させるハリーだが、アニメーガスを解いたシリウスが後ろから持ち上げ、おめでとうと声を上げる。驚いたハリーにかまわず嬉しそうなシリウスに2つの視線が突き刺さるも、ハリーの無言のヘルプにヴォルが動いた。シリウスの手からハリーを奪うとそういう事らしいな、と額に口付けを落とした。
新聞に載せるための4人の写真を撮り、パーティーで会おうと解散になる。馬車に戻る前にビルに声をかけられるフラーが顔を赤くし、パーティーでエスコートしてほしいと頼むのが見え、ハリーとヴォルはコツリと額を突き合わせた。フラーの周辺では男子生徒が砂と化しているが、二人はそれを無視し、半分砂と化したロンを引っ張って城へと戻ってきた。
連絡先を無事ゲットしたフラーにビルが笑いかけ、今度の合同練習にとチェイサーを目指すジニーをフレッドたちがクラムへと妹自慢の様に絡みに行く。
「あいつ、結構惚れっぽいじゃないか?」
遠目で見ていたヴォルのつぶやきにロンが首をかしげた。短い間とはいえ、付き合ったハーマイオニーはそれでいいんじゃないかしら、と微笑む。ロンがどういうこと?と疑問符を浮かべるが、ハリーもわかったようでみんな幸せってことだよ、と頷いた。
夏も近いという事で、ホグワーツの外に会場が設けられ、ガーデンパーティーが行われる。ダンスの時の様に代表選手らはそれぞれのパートナーと入場するという。フラーをビルがエスコートすると、正統派美男オーラと美女オーラに圧倒される生徒が感嘆のため息を零した。クラムはなんとジニーを誘い、セドリックとチョウが再び組んで、最後にハリー達が入場する。
関係者らが胃のあたりを抑えて呻く中、ハリーを挟んだダブルヴォルは周囲を気にせず歩みを進めていく。ヴォルのドレスローブとは違う、かなり格式の高い……それでいてヴォルと似たデザインのドレスローブは、半分屍と化したルシウスからの献上品だ。受け取った本人が献上品というのだから、献上品で合っているはず、とハリーは気にしていない。
ドラコは父親がヴォルデモートに頭が上がらない様子に衝撃を受け、それを従えているハリーに一種の恐れをなしたらしく、最近では突っかかることも少ない。ただロンにだけは突っかかるが、ヴォルが顔を出すと周囲に親と思われているヴォルデモートがいないか確認し、ロンに捨て台詞をはいてゴイル達を引き連れて去っていく。
壇上では笑顔で迎えるダンブルドアと、すっかり当たり前の顔をしてダンブルドアに連れそうグリンデルバルドがペアのような格好をして待っていた。先日、グリンデルバルドの手のひらで転がされながらダンブルドアの暴露本を世に送り出したスキーター。仕方がないやつじゃ、と呆れるダンブルドアを何で貶める様な事をするのだと、ホグズミードに住むアバーフォースというダンブルドアの弟が詰めかけたのは最近だ。
「アルバスに寄ってたかる盲目的な蠅を追い払うためさ。アルバスはこのホグワーツという籠の中でおとなしくしていればいいのだ」
と、グリンデルバルドがしれっといったのも、大広間で聞いていた生徒はみな知っている。新旧共に闇の魔法使い、大分やばいな、とグリンデルバルドとダブルヴォルを……ドン引きした眼でみていた。どこか満足気なダンブルドアにもマクゴナガルらの眼が突き刺さったが、二人そろってまったく気にしていないのも、この一か月で分かったこと。
ダンスの時間となり、ハリーは二人のヴォルデモートと交代で踊り……空はいつしか、満天の星空を映していた。