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厄介な爺が増えた、とカオスから立ち直ったマクゴナガルとスネイプが遠いい目をし、困るハリーをじっと見つめるヴォルデモートと、抵抗しようとするハリーをいなし、口づけながら至近距離で堪能するヴォルの存在を視界から消し去る。
「なるほど。確かに、他人がアルバスに触れるのは我慢ならないが、自身が触れるのを第3者目線からみえるのは面白そうではあるな。この場合はタイムターナを使っても……。それならば見るだけではなく、二人で攻めるのも良いだろう。攻めるアルバスを攻めるの」
「シレンシオ。ゲラート、トムに流されてそういう話をするのはダメじゃぞ」
たしかに一理あるな、とぶつぶつつぶやくグリンデルバルドにダンブルドアは声を封じ、少し困った風に笑う。声を封じられたグリンデルバルドだが、二人で視線を交え満足そうにうなずいた。なんなんだこの空間、と顔をしかめるクラムだが、フラーは呆れているだけで気にしている風ではない。
「かんが−えてもみなさい。両親をころーした相手と、どうにかして倒したアリーと、関係性はさいあーくなのに、番を得た鳥のようでーす。だいたーい、この年の差であれーば、わたーしの歳の差なんてクレープの厚さほどしかありませーん」
最初からカオスだと指摘するフラーにクラムも確かにそうだ、と嫌悪感やら何やらが溶けていく。殺そうとして襲撃までしたはずが、その対象にべったりになり……殺されそうだったがどうにか生き延びた対象は親の仇である相手にべったりになり……。
この事態を想定していたらしいダンブルドアが抑止力としてかつての闇の魔法使いを呼び出したかと思えば、出てきた相手は自分にかけられた呪いが嬉しいのか、200mの制限必要か?と思うほどにべったりで……。
「この2人……いや3人?が生きているうちは闇の魔法使いは何もできなさそうだね」
乾いた笑いを零すセドリックにそう考えれば、方向性の違う闇が二つ集まっているという状況が状況ではあるが、全体で見れば平和……なのかもしれない。大いに脱線しまくった思考が、唯一見つけたポジティブな思考に傾倒していく。
局所的に見ればものすごく嫌な状況だが、万が一にでも相方に危機が来れば相方が黙っていない状況で……。当人たちが……いや、主にハリーの負担が大きいが、ある意味これはこれで平和だ、と思考が楽な方へと流れて……。虫よけがきれていたために、盗み聞いていた虫が思わず柱から転がり落ちて唖然とした風にこの状況を見つめた。
「闇の魔法使いの結末が、こうなった、であれヴぁ誰もやろうとは思わないかもしれない」
よくよく考えてみれば、大体が自分の欲望や思想を広めたい自己顕示欲が発端で闇の魔法使いになるのだろう。であれば……それを突き詰めた結果が目の前に広がる光景という事で……。悪ぶりたい人らにとってはうんざりする結末だ。
「ヴぉくらはヴぉくらで来月の試練について準備をしよう」
もう放置だ、とクラムは視線を背けクラウチに話しかけようとして再び固まる。グルグル巻きな状況で目を覚ましたものの、あまりの顛末に放心状態の息子を見下ろすクラウチもまた石像と化している。まともな実行委員はいないのか!と顔をしかめるクラムにマダム・マクシームだけが気付き、3人には来月の準備をするようにと言って解放する。
「ハリー先に謝っておくのじゃが……トム、この話し合いが終わったあとは明日までこの敷地内にいることを条件に自由にしてよい。じゃから、先に話し合いをしたいと考えておる」
ダンブルドアの心底すまないという表情に、ハリーは嘘でしょ!?と内心叫ぶも名残惜し気なヴォルの舌にすっかりやられてしまい動けない。自由、と聞いてすぐにダンブルドアに向き合うヴォルデモートに本当に残念な奴、とロンとハーマイオニーは呆れ、アニメーガスから戻ったシリウスが冗談じゃないぞと叫ぶ。
「そんなことして明日ハリーのお尻が爆発していたらどうするんだ!!」
怒るシリウスにダブルヴォルは素知らぬ顔をして無視をする。顔を真っ赤にして震えるハリーはもう何も言えない。
「10時間程度だろう。それほどのものかわからないが同時に入れたとて問題なかろう。もっとも、そこの蛇化している男のがヘミ」
「ゲラート。それ以上はいかん。ハリーを苦しめる材料になるじゃろう」
いつの間にか呪文を解いていたグリンデルバルドをダンブルドアが抑えるも、何を考えたのかヴォルデモートはローブの前を引っ張り、中を確認している。
「嘘だろ……。裸ローブとか気持ち悪……」
ぼそりと零れたロンのつぶやきにハーマイオニーが思わず吹き出し、笑いをこらえようと席を繰り返す。えぇ、ハーマイオニー……と考えるロンだが、そういえばワールドカップの時も水汲みで並んでいたおじいさんに笑いが止まらなくなっていたな、と思い出して思わずニヤッと笑う。
何やらヴォルデモートとヴォルが話し合っているが、間に挟まれたハリーの顔がこわばり、ダメダメと必死に首を振るも止まらない二人は何か算段を立て始めている様子だ。
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