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「なるほど……。よくぞやった、我が下僕たちよ」
 しゃがれたような、少し高い声が聞こえ、煙が消える。ヴォルが無言で杖を振り、用意されていたと思われるローブを頭から被せると全裸だった男はにたりと笑い、落ちていたピーターの杖を拾ってピーターの腕に新しい手を付けてやる。

 あぁ、とんでもなく大変なことが起きた、と少し気が遠くなるハリーだが、自分の体を調べているヴォルデモートの赤い目と視線が絡み合い、思わず顔を赤くした。

「これでハリーを更に愛することができるな!」
 現ヴォルの記憶を持ったという事はハリーを愛するまでに至った過程も全て移されたという事で、ヴォルデモートの体に戻ったヴォルが一人増え、いつもの様子で声を上げる。

「そうか、ハリーを別のものに触れさせるわけには行かないが、俺様が2人増えたという事で同一人物だ。つまりは」
「そうとも、ハリーの上下をいっぺんに犯すことも、挟んで突き上げることも」
「「すべて可能という事だな」」

 ふむ、と考えるヴォルにヴォルデモートもその通りだと声を上げ、ぴったり合わさった声と共にハリーを二人で見つめる。僕の体、持つかなぁ、と顔を真っ赤にしたハリーにダブルヴォルはぐっと拳を握り、杖を振って死喰い人らを捕まえた。

「さっそく今晩かわいがるしかないだろう」
「ようやく落ち着いたのだ。ハリー」
「「しばらく寝かせない」」

 考えていることも思考も全てが一緒の二人の熱い視線にハリーは反論できない。少し想像してしまった自分が恥ずかしい、とヴォルに顔を埋める。背後にまでやってきたヴォルデモートはハリーを後ろから抱きしめ、さわさわと体を触り始めた。

「一度戻らねばな。そしてゆっくりと」
「あぁもちろん。2乗された俺様の愛……しっかりとハリーに受け止めてもらおう」
 ヴォルの記憶が持っていかれた話からなんとなくこんな事態が起きそうな気はした、と顔を真っ赤にするハリーはちらりと死喰い人らを見る。絶句した様子の死喰い人らはぐるぐる巻きにされて動かない。ベラと呼ばれていた女性もどこか燃え尽きたように見える。

「例の薬についてもこれではかどるな」
「ぢょうど俺様がもう一人いればいいと思っていたところだ」
 我慢できない、という風のヴォルデモートとヴォルに挟まれ、このまま流されてはまずいとハリーは喘ぎそうになりながら必死に考えた。このままだと興奮しきった二人に流される、と断言できるハリーはえーとえーと、と考え……転がったトロフィーに目を向けた。

「アクシオ!」
 ボトム内に侵入したどちらかの手がさらに奥に入りそうになり、慌てて杖を向け叫ぶハリーの手がトロフィーに触れる。3人一緒になって飛んでいき……わぁという歓声が耳に響く。だがそれもすぐにどよめきに代わり、一部からは悲鳴が上がる。不埒な手は一瞬止まったものの、体が2倍になって大興奮の二人は止まらない。

「トム、ハリーの今後の体裁の為にも止まるんじゃ」
 呆れたような声が聞こえ、ヴォルデモートの手が離れる。ハリーを抱きかかえていただけかと思ったヴォルの手が、しっかりボトムに入っているのを見て君もじゃ、とダンブルドアは笑いながら杖をふう。絶句しているハーマイオニーとロンは現れたヴォルデモートに驚いているようで、ハリーは急いでボトムを整え、乱れていた服を直した。その様子に二人の眼は一気に残念なものを見るものに変わり、これから起きるであろう騒動に頭を抱えた。

「さて、場所を移すとしよう。後の説明は魔法省大臣、お願いするとしよう」
 自分の杖ではないためか十分に対抗できなかったらしいヴォルデモートを捕まえたダンブルドアはニコニコと微笑み、3人をテントへと案内していく。スネイプとマクゴナガル、威嚇状態の黒い犬……シリウスが続き、ロンとハーマイオニーも顔を見合わせた後それに続いた。逃げようとしていたカルカロフをむんずと捕まえたマダム・マクシームがそれを追う。

 テントでは身を隠していた3人がおり、入ってきたダンブルドア、見知らぬ白い肌の初老のような赤い目の男……顔が若干赤いハリーとべったりくっついたヴォル。そして教員らとハリー達の友人が続き、自分らの校長が最後には行ってくるのをじっと見つめていた。

「偽のムーディが姿を消しましたゆえ、捜索を」
「それには及ばん。そろそろ来る頃じゃろう」
 一刻も早くこの場を去りたいと踵を返そうとするスネイプにダンブルドアは不要だという。どういうことだと振り向くスネイプにダンブルドアはとても上機嫌で……そこに魂が抜けたファッジと今日は予行演習だったことを伝え終わったクラウチ、そして記憶を戻されたバクマンがやってくる。

 ダンブルドアの拘束から抜けたヴォルデモートはそのままハリーのそばにやってくると、ハリーを抱き寄せようとしてヴォルとにらみ合う。僕の体も二つになればいいのになぁ、とぐいぐい引っ張られるハリーは小さくため息をつき、何かを待っている風のダンブルドアを見た。
 
 




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