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☆59:水面下に沈むミモザ
顔色のさえないスネイプを心配するハリエットはスネイプの左腕にそっと手を添えた。抱きしめられ、口づけられ……そのまま押し倒されると部屋の明かりで逆行になるスネイプを見上げる。
男物に近い寝間着をはだけられ、ハリエットはスネイプの手に悪戯に身をよじる。手が止まったことにじっとスネイプを見上げるが寝起きで眼鏡をかけていないハリエットはその表情が分からない。
すぐに再開した手に翻弄され、柔らかな胸を揉まれるとそれだけでハリエットの思考が乱れて息が上がっていく。
いつになくじれったいほどの愛撫にハリエットは小さな絶頂を味わい、緩く首を振った。スネイプの手にかかればいとも簡単に堕ちていく。それが少し怖くもあり、自分がスネイプを愛しているという事を再確認することもでき……。ハリエットはその手に身をゆだねる。
不意に太ももに触れた熱塊にハリエットはどきりと心臓を跳ね上げた。先ほど何か飲んでいる音が聞こえたことからも例の薬を飲んだという事はわかる。こんなに熱いものが体の内側に入っているのか、と思うと体の奥がきゅっと疼いた。
まだスネイプに入れてもらえてないのに、何度も押し上げられるハリエットは手を伸ばし、その熱塊に触れてみた。服越しにわかるほどに張り詰めたそれはビクンと震え、ハリエットの心に悪戯心が芽生える。
「先生が焦らすから……んっ、お返し」
じろりと見降ろすスネイプにそう告げるとスネイプは眼鏡がなくとも見える距離まで顔を近づけ、いけない子だ、と笑う。愛撫の手を止めたスネイプにハリエットが抗議も含めてもう一度撫でるとそんなに気になるかね?と耳元で問いかけた。
顔を真っ赤にするハリエットは初めて触れた自分を欲する熱に目をさまよわせ、こくりと頷く。起き上がるスネイプに腕をひかれるままに体を起こすハリエットだが、体を支えられるほどの力がない。
座ったスネイプに寄りかかるハリエットはちらりとスネイプを見上げて恐る恐るベルトに手を掛けた。カチャカチャという音だけが響き、ハリエットの細い手がスネイプの下履きにそっと差し込まれ、焦らされた熱塊を外へと導きだす。
目の前に現れたそれにハリエットの瞳がピクンと跳ね上がる。かつての自分の物なんて覚えているはずもないが、それよりもしっかりとしている風に見え、鼓動が跳ねあがっていく。
「見ているだけかね?」
そう促すスネイプだが、このまま彼女が降参してくれるのでも問題はなく、むしろそれでいいとさえ考えていた。ぺろりと小さな舌がスネイプの熱塊に触れ、スネイプは思わず小さなうめき声をあげる。
跳ねるように震えるスネイプの物に驚いたハリエットだが、同時に自分がスネイプを翻弄させられていることに気が付き、止める間もなくその先を咥えこんだ。途端に広がる苦みに眉を寄せるが、同時にスネイプ自身の匂いを強く感じ、まるで陶酔するようにぺろぺろとなめ始める。
これが、いつも自分を快楽に突き落としていく根源。そう思うとどうにか屈服させたくて、夢中になってそれを口に入れていく。こんなこと……本当に初めてで、どうすればいいかわからないが、ハリエットは無我夢中でそれを愛撫し、スネイプの声に耳を傾ける。
出てくるものが増えてくるとそれだけで嬉しくて、夢中になり……ふいに体が浮き上がり、驚いている間にすとんと降ろされる。目の前の大事なものの位置はわかってない。
上下が反対になったが。そう考えている間に秘部がべろりと舐められ、ハリエットはスネイプの腰に縋り付いて喘いだ。先ほどからぐるりと回されたのだと気が付いたときにはスネイプの鼻先が触れ、ハリエットは背中をそらした。
「もう根を上げるのかね?ここはもういつでも準備できているようだが」
そういいながら指が差し込まれ、くるりと撫でられる。その感触に何度も達せられていたハリエットの体はすぐに快楽の炎を再燃焼させ、ハリエットははしたなく喘ぐ口を塞ぐようにスネイプの物を咥える。
「この体勢では顔が見えないのだが、こんなになったここをこのまま放っておくことはできない。私のことは気にせず、続けたまえ」
喋るごとに触れる吐息と舌にハリエットの背中は震え、スネイプの物に縋り付く。
感じているのか、ハリエットの熱い吐息が時折スネイプの物に触れる。一生懸命な彼女を見ているうちに悪戯したくなったスネイプは、彼女の秘部からあふれる蜜をわざと音を立てて啜った。舌が跳ねあがり、小さな歯が熱塊をこすることに彼女は気が付いていない。
どこが弱点か、それはクリスマスから今に至るまでさんざん確認し、暴ききっている。スネイプはハリエットにそのことは告げず、的確に彼女を追いこんでいった。
もはや自力で腰を上げられなくなったハリエットにスネイプは満足し、体を抱き起した。再び寝台に押し付け、覆いかぶさると彼女の体が待ち望んでいたそこに突き入れ、動き出す。言葉にならない喘ぎだけを上げるハリエットに微笑み、その最奥に快楽の証を注ぎ入れた。
「ハリエット、聞こえるかね?ここに私が入っていることが……よくわかる」
行き過ぎた快楽に息も絶え絶えなハリエットの手を取り、彼女の下腹部に押さえつける。ぼんやりとしながら何をしているのか、そんな顔のハリエットだが、動き出したスネイプに思わずうろたえた。
「そう、ここに私の物が入っている。ハリエット、君は痩せているからわかりやすい」
体への圧迫感とともに、押さえつけられた手はその形を感じ取り、ハリエットを更に強い快楽へと誘い込む。
「突然消えたりなどしないでくれ」
「ずっとそばにいてほしい」
「私を信じ続けてくれ」
一突きするごとに囁くスネイプにハリエットは嬌声を上げながら頷き、スネイプに縋り付く。漠然とした不安を感じている、と互いに感じ取りながら……スネイプは薬を飲んでいなければ危険だったかもしれない、と思うほどに彼女を抱き、何度も言葉に出せない想いとともに注ぎ入れる。
「ハリエット」
もう無茶はしないでくれ、と願うスネイプは最後の一突き、と彼女の体を抱きしめてより奥に入るようにしてその熱をはじけさせた。くたりとするハリエットはいつ意識が落ちたのか。
暖かく適度な締め付けをするハリエットの胎内から抜き出し、息を整えるスネイプはハリエットを抱きしめ、目を閉じる。たくさん汗をかいたおかげで彼女の匂いがより鮮明になり、スネイプは誘われるように眠りの世界へと落ちていった。
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