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☆28:独占欲
突然引き込まれたヘンリーはバランスを崩すと引き入れた張本人の顔を見る間もなく口づけられ、中途半端な姿勢であっという間に戸惑う舌を絡め取られる。酸欠に戸惑い、もがくヘンリーだが容赦ない拘束に次第に力が抜けていく。
「んっ」
力が抜けたヘンリーは体を支えきれず、スネイプに全身をゆだねる。ようやく唇が離され、息を吸い込むヘンリーは酸欠と快楽で視界が霞み、スネイプの黒い服を握り締めた。
眼鏡が外され、机に置かれてしまえば満足に歩き回れないヘンリーをスネイプは持ち上げ、寝台に少し乱暴におろす。まだ息が整っていないヘンリーだが、再び口を塞がれ両手をベッドに食い止められれば抵抗するすべもない。
気絶する一歩手前で解放され、必死に息を吸うヘンリーの手を開放し、抑えていた手で制服を脱がす。まだ意識がふわふわとしているヘンリーはそれに気が付いた様子はない。無防備に一糸まとわず横になるヘンリーにスネイプは覆いかぶさると再び唇を重ね、柔らかな口内を堪能する。
待って、と力の入らない両手で何とかスネイプを押し返そうとするが、ぐっと体重をかけられてしまえば非力なヘンリーでは太刀打ちできなかった。
あと一歩で本当に気絶するところで解放され、ヘンリーは弱弱しく最初よりも浅く必死に息を取り込む。
「ハリエット」
そう呟いて額に、目元に、口元に口付けを繰り返すスネイプはヘンリーを抱きしめた。遠くで消灯の鐘が聞こえ、ヘンリーもハリエットに戻る。少年から少女に戻った姿に獣が獲物を欲するように喉を鳴らし、本来使うべきではない最奥のつぼみを慣らす。
「ハリエット」
まるでその言葉しか知らないように繰り返すスネイプは、互いの体が欲している本来の場所ではないそこをうがち、快楽を引きずり出す。ここまで自制し抑えているというのに、彼女の大事な最後の箇所にぎりぎりセーフであろう指を一本だけ入れ、何かを探る。
「ぁっ!そこ……やだ、そこ……目の前が、ぁ、ちかちか、、、、ぁああ!」
くっと指が何がに触れるとハリエットは背をそらし、大きく体を震わせた。今まで味わったことがないほどに強烈な高波にさらされ、ハリエットは体を小刻みに震わせ続けた。今まで、それこそハリーだった時でさえ味わったことのない強烈な快楽にハリエットは訳が分からず震える。
ハリエットの体の、未だ深く刺激したことがないであろうそこで彼女が感じる場所を見つけたスネイプは最奥に穿ったままものを動かさず、入れた一本の指で何度もそこに刺激を与えた。
思わず捕食者がするように、自分の唇をなめて潤すスネイプはここではなく、本来の場所をと切望する気持ちをそこで晴らすようにハリエットの体がそりあがるのも構わず何度も何度も執拗なほどに攻め立てた。
強すぎる快楽はハリエットの小さな体には強烈で、思考が焼き切れたかのようにくたりと意識を飛ばす。見下ろすスネイプは幾筋も流れた涙の跡に口づけ、指を引き抜いた。
散々無体を働いたせいか、わずかな血が付いていて、あぁ本当に彼女はまだ、とスネイプはハリエットを抱きしめた。
何度も何度も最奥を穿ち、意識のないハリエットの体を揺さ振る。まだ彼女の体はきれいなままで、自分以外の手垢が付いていない、無垢で美しく愛しいハリエット。彼女を苦しめたいわけでも痛めつけたいわけでもない。
ただ、愛しているという感情が止められないのだ。ただ、髪の先から爪の先まで、彼女のすべてが欲しい……ただそれだけだ。
小さくあえぐだけのハリエットは何度も奔流を体に流し込まれながら、スネイプが疲れて満足し、抱きしめて眠りに落ちるまで、一度も完全な覚醒をすることはなかった。
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