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☆10:言葉に出せぬ想い

 無防備な喉元に食らい付くように口づけ、支える手とは別の手で来ていた半そでのシャツをまくる。顔を赤くするハリエットの頭を撫で、手に取った髪に口づけを落とす。
 それを見たハリエットは顔を赤くしたまま、ずるい、と小さく漏らすとスネイプの服に手をかけた。ボタンの多い服に苦戦している間にスネイプのほうは器用に片手でハリエットの服をはだけ、背中にまわした手で下着のフックを外す。
 胸が解放されたことに恥ずかし気に目を伏せるハリエットは、スカートの裾から這い上がる手に体を震わせてスネイプに縋りついた。

「もう根を上げるのかね?」
 楽し気に耳元で囁けば、どこか双子の片割れを彷彿とさせる負けん気の強さを乗せた眼でスネイプを見て、ボタンをはずそうと躍起になる。その姿が愛らしく、スネイプは口角を上げて悪戯を再開させた。

 熱い吐息を零し、時折体を震わせるハリエットは上着のボタンを解いたあと、中に着ていたシャツのボタンに手をかけたところで手が止まる。
 一生懸命な彼女の姿につい悪戯が過ぎた、とスネイプはスカートから手を離し、杖を出すとハリエットはダメと首を振る。だが、何度も弄られ、いく寸前で止められたがために、手が震えてボタンを外すどころではない。
 またの機会にお願いしよう、と耳元で囁き、杖を振ってハリエットの残っていた服を脱がし、中途半端だった自身の服をも脱ぐ。
 念のためにと腕に巻いていた布だけが残り、荒い息を吐くハリエットを持ち上げ、大事なところに入れないよう立ち上がったものを股で挟むように座らせた。本来入れる場所と、少し芯を持った小さな芽をスネイプのもので擦れば、ハリエットは細い喉を反らして大きく体を波立たせる。
 荒い息が整うまでスネイプはハリエットを抱き寄せると、どちらともなく唇を合わせた。

「先生……」
 眼鏡の奥で目をふやけさせたハリエットにスネイプは黙って口づける。彼女の安心しきったその顔からは好き、とそう一途に思う気持ちが溢れていて、スネイプの凍り付かせた心に届く。
 君が思う以上に、君が好きだ、と言葉に出せず、心の内で何度もつぶやく。

 この想いはきっとこの先彼女の負担になるだろう。だから彼女には伝えられない、と入れてしまわぬよう、気を付けつつ……思うがままに突き上げた。ハリエットの蜜壺から滴る蜜がスネイプのものに絡みつき、混ざりあって水音を響かせる。
 目の前で揺れる、去年よりより女性らしくなった双丘に口づけ……あの方法で大きくなるなど眉唾だとはわかっているにもかかわらず、思わず口元が緩む。
 このまま彼女を愛せれば……そう考えて左腕の忌まわしい印が痛みを発し、ちらりと視線を移す。ハリエットの手が触れそうになり、抱えなおしたスネイプはハリエットの手を取った。


 ハリエットを後ろから抱きしめるスネイプは、ヘンリーの時に堪えられず繋げてしまった、本来同性同士での性交以外では使いはずのない最奥に猛ったものを入れ、ハリエットの息が整うのを待つ。
 後ろだから大丈夫などとは考えてはいないが、まだ……初体験をするには早いと、そう思うのと同時に、そういうものはやはり彼女にとっての特別な人がしかるべきタイミングで繋がるべきだ、と考えてしまう。
 そもそも、初体験というにはいささか遅い気もするが、ハリエットの……女性の一番大事な所の、特別なそれを……語弊はあるが貰うなどスネイプは想像することもできないと小さく首を振った。

 入れたままソファーに彼女をおろし、背もたれに掴まるよう促して……覆いかぶさるように背面から抱きしめる。動き出したスネイプに合わせる様にハリエットは息を零しながら甲高く喘ぎ、震える足で何とか体を支えた。
 そのけなげな様子にスネイプはしっかりと細い腰を掴み、思うがままに……わざとリズムを狂わせながら穿つ。翻弄され、戸惑うハリエットが大きく背を反らし、スネイプの腕の中で体を波立たせた。
 スネイプもまた奥底に入れると、ハリエットの足からかくんと力が抜け、スネイプの腕に体を預ける。

 意識を飛ばしたハリエットを抱き上げ、そっと髪を撫でるスネイプは白い額に口づけた。




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