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☆8:澱み過ぎた愛
下着を外すため、自ら脱いでいたヘンリーを組み伏せ、スネイプはじっとその白い肢体を見下ろした。華奢な手はシーツに散った赤い髪と共に両手でそれぞれ縫い留められている。
そして胸元を隠す可愛らしい淡いブルーのブラがスネイプの前にあった。無言呪文でヘンリーの腕を縛るとヘッドボードに留める。え?え?と固定されてから気が付いたのか手を下ろそうとして、動かないことにスネイプを見上げた。
「胸元を隠さないよう、固定させてもらった」
だから暴れないでほしい、と耳元で囁き、そのまま耳たぶを食み、鎖骨に赤い痕を残す。顔を赤くしたヘンリーはおろおろと視線を彷徨わせ、中身のない下着に視線を落とした。
顔を赤らめ、恥じらう少年の姿にスネイプの熱は体を駆け巡る。彼女の顔ばかり見ていたうえ、気にも留めていなかったが、彼女の胸の大きさを下着から考え、そっと息を吐く。今彼女が元の姿で居たら……止まることなどできなかったかもしれない。
ヘンリーが恥じらえば恥じらうほど、甘い香りが沸き立つようでスネイプはその香りを求める様にヘンリーの首筋に顔を埋める。月夜の晩に咲き誇る月下香のような、甘く魅了する香りを吸い込み、耳に吹き掛けるように息を吐く。
それだけでびくんと体を震わせるハリエットが愛おしいく、スネイプはじっくりと白い肌を味わう様に口づけを落とし、赤い印を散らした。
肌が熱を帯びたせいか、ヘンリーの平らな胸と下着の間に熱がこもり、香りを高める。ハリエットの身体もすべて欲しい、と胸の間に赤い痕を残し、隙間から指を差し込む。
手探りで見つけた果実を弄ればヘンリーの背が撓り、ダメだと首を振る。ずれた眼鏡をはずし、顔の傍に置くと潤んだ瞳がじっとスネイプを見つめた。
「ヘンリー」
愛している。その一言が言えず、スネイプは喘ぐ口を塞いだ。自分の抱える愛が崇高なものではなく、どろどろとした、タールよりも重く粘った醜いものだということを自覚しているスネイプは赤い印を刻みながら、この白い肌にこんな汚い感情を被せたくはない、と口を閉ざす。
彼女の能力の都合、人気を避け隠れなければならないというのであれば、この地下牢の奥深いこの寝室に縫い留め、誰の眼にも留めさせず、スネイプをただ待つだけの生活に落とせてしまえばどんなにいいことか。そう考えてしまうあたり、やはり自分の持つ愛が厄介であると、スネイプはヘンリーの手を解放させた。
ヘンリーのカモシカのような足から、履いていた細身のパンツを脱がすと、興奮のせいか眩暈を感じてスネイプは低い体温がぐんと上がるのを自覚した。
ブラとデザインが似ているショーツをはいた姿に理性の壁だったものが粉々に粉塵さえ残さず消え去っていくような気がして、どう猛な衝動を何とかやり過ごす。
別段、彼女が女性らしい恰好をしていたからどうだというのだ、と冷静を装う思考が、鼻息も荒く興奮しきった頭を冷やそうとするが効果などないに等しい。
見るわけにはいかない。薬の効果のためにも見なければならないかもしれないが、見てはいけないのだ。であれば触るしかない。その結論に達してショーツの間から指を入れる。
「何かあればすぐにいいたまえ」
下半身も思考も最悪な状態になっているスネイプだが、口からは驚くほど冷静な声色が出て、自身の閉心術の腕前に称賛を送る。
やっとこれが魔法薬の確認であるとわかったのか、顔を赤くしたままヘンリーは黙って首を縦に振った。
偽りの物は相変わらずで、熱も特に何もない。問題は、とスネイプ自身ほとんど未知の領域であるそこに触れるという行為に心臓が痛いくらい早く鼓動を鳴らす。
行為そのものが初めてなわけではない。ルシウスらに紹介された女性と付き合いでしたこともある。だが、好きな女性に対し、自らの意志で、まだ誰も触れたことのない、無垢な少女の秘めやかなそこに最初に触れるとなれば話は別だ。
魔法薬で少し隠されているが、あの時はなかった皮膚の割れ目に指を探り入れる。この先は魔法薬の影響のない彼女本来の身体だ。
そう思うと自分は一切脱いでいないことで助かった、と目も当てられないだろう下半身が隠れていることにほっとして、ぎゅっと目をつぶるヘンリーの眼もとに口づけた。
彼女に危害を加えそうで怖い自分と同等……いや、それ以上に怖いであろうヘンリーの小さな口をふさぎ、震える舌を絡める。
初めて誰かが触れたそこはびくりと震えて、軽く沈められたスネイプの指に吸い付く。まるで誰かを品定めするように伸縮を繰り返すそこに更に指を沈める。
ごく浅い所で動かない指に吸い付くそこは侵入者を拒んでいるのか、それとも引き込みたいのか。形を探る様に沈めた指以外でその周囲を探れば少なくとも魔法薬のせいで問題が起きたようなことはなさそうだ。
そう考え、ヘンリーを見下ろす。上気して赤く染まった頬を、行き過ぎた快楽で溢れた涙が流れ落ちる。はふはふと必死に息を取り込む姿がスネイプの雄を刺激し、呼吸を制限するように唇を重ねた。
まだ13歳だ、と必死に自分を押しとどめるスネイプは未熟な淫路に入れた指を増やし、深く入れないよう入り口を刺激する。ちゅぷちゅぷと粘質的な水音が聞こえ、スネイプの手を濡らしていく。
今ならまだ子をなすことはできないのだから逆にチャンスではないのか、と言う悪魔じみたささやきを頭から追い出し、愛しい彼女をいつか来る日のために大切に大切に扱う。
だからと言ってそれはどうなんだという、内なる声を無視して、すっかり濡れぼそった最奥の蕾に指を伸ばす。自分自身の愛液で濡れたそこはすっかり力が抜け、スネイプの指を食い締めた。
もう大丈夫だろうと深く沈めた指を抜き、自身のものを解放させる。もう我慢の限界だと、弾け出た自身にスネイプ本人が驚き、本人がまじりあう前に、先に甘い蜜で満たされた寝室を欲望の匂いが混ざりあう。
もしかしたらあのバレンタインの時よりも硬く太くなっているかもしれず、細身のヘンリーの身体には不釣り合いな狂暴なものをこれから入れるのだと思うと、その想像だけで果ててしまいそうで、スネイプは本能を抑えて使うべき場所ではない蕾に誘導する。
「……ハリエット」
名前を教えてもらってから初めて呼ぶのがこのタイミングはさすがに、と呆れる自分をさておき、腰を進めるとヘンリーの身体は仰け反り、ぴんと足が伸ばされる。
初めての時よりも狭く感じるのはどういうことか。仰け反ろうとする細い体を無理やり抑え込み、徐々に角度を変えてスネイプはヘンリーを見下ろした。
先を納めたスネイプはもう止まることはできず、全てを入れたい本能に流され、大きく開いたヘンリーの膝が彼の耳元に着くほどに体を折り曲げ、体重をかけて押し込めていく。
一番太い個所が入ったのか、押し込める勢いのままに腰を打ち付け、最奥の壁に先を押し付けた。ヘンリーの、ハリエットの大切な場所にそんなことをしなくてよかった、とほっとすると同時に、対格差を再認識してもうこれ以上大きくなるまいと思ったものが膨れるのを感じる。
息も絶え絶えなヘンリーは目の前の刺激についていくのがやっとなのか、さらに太くなったものに気が付いた様子はない。ちらちらと覗く舌を絡めてしまえば苦しいのか、ヘンリーはスネイプの背を叩く。
そろそろまずい、と唇を解放すればもうヘンリーに抗う力は残されておらず、揺すぶられるままに押し込まれて空気が追い出され、引くタイミングで空気を吸い込む……そんなアコーディオンが音を出す様に甘く甲高い声を上げ続けた。
もう何度ヘンリーが絶頂に押し上げられたか。男と違って目に見えるものは時折出す潮以外ないヘンリーを撫で、じっとうかがう。
少なくとももう片手では足りないほど押し上げられているだろうヘンリーの意識はもはや朦朧としていて、視線が定まらない。このままでは彼女を壊してしまう、と危惧する心と、もっともっと壊したいという凶悪な心が揺れ動く。何とか危惧する心に軍配が上がり……力の抜けた手で必死につかまるヘンリーにその心さえもあっさりと陥落する。
清楚なショーツはもはやぐしゃぐしゃに濡れて意味をなさないどころか、より淫靡な雰囲気を助長させるものになり、ヘンリーの後ろから一突きごとにあふれるほど注ぎ込んだスネイプは満足したものをずるりと引き抜いた。
いつの間にかヘンリーはくたりと気絶しており、スネイプのスイッチを入れた手はだらりとシーツに転がっている。酷い有様に目をそらそうとして、苦しげに見えたブラを外す。
甘い蜜を十分吸ったショーツを脱がすとピクンとヘンリーの身体が震えた。赤い髪は黒くなり、粘液と汗に濡れた胸が膨らんでいく。
とろとろと愛液をこぼしていたものがあらわになり、スネイプは慌ててハリエットの身体を魔法で清めてシーツで覆い隠した。魔法薬はきちんと時間になったら彼女の身体を元に戻した。
全くもってうまくできている。
戻る瞬間を見るつもりじゃなかったスネイプはおそらく誰にも見られたことがないほどに耳の先までを赤くし、頭を抱えた。
ふと、シーツが汚れていることに気が付き、彼女に再び清めの呪文をかけて呼び出した自分の黒いローブで包み込み直す。汚れたシーツよりはましだと思いながら、白い肌と黒いローブのコントラストに思わず喉が鳴る。
これでは自分が変態ではないか、と離れるスネイプはシャワールームで頭から冷水を浴びる。今彼女に触れたら今度こそ壊してしまいそうで、邪念が消えるまで強めのシャワーを浴び続けた。
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