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 「ハリー。」
 呼ばれて顔を上げるとちょうどネビルが穴をくぐってくるところで…。
 どうしたんだろうっていうか、ずっと外にいたのかな。
 「ヴォロっていう人が呼んでいるけど…。あ、もう消灯時間だ。どうしよう。」
 「ヴォロ?」
 誰だろう?そんな生徒しらないけど…。
 「もしかして噂の?」
 うわっ!まだ起きてたの?ロン!
 「どっどんな人?」
 「えぇっと…暗くてはっきりわからないけど…赤い目で黒いローブみたいな私服着てて…。ちょっと高圧的な感じのハンサムな上級生?っぽい青年。」
 「ヴォロ…ヴォ…あぁあああ!!呼んで!というか呼んでいいのかな…。でも呼んで!!」
 えっと…青年っていうのがわけわからないけど、間違いないというか、穴をくぐってきた顔にものすごく見覚えが…。
 いつもよりは背が低めになっているし、顔も若くなっているし、歳とっている方がこう、渋かっこよかったけどこっちもこっちで正統派なカッコよさというか。
 「やぁハリー。今日会えないって聞いたから。どうかしたの?」
 問いかけられて、見とれていた事を気付かれたくなくて慌てて首を振る。僕の彼氏、どの年齢でもかっこいいとかずるい!!
 「えぇっと…最近落ち着きがなくてさらに人の話をよく聞かないってことでちょっと…外出禁止になっちゃって。」
 「それは今に始まったことじゃないだろうに。」
 うっ…。何をいまさらって…。そんなことない。
 「んで、寮監って誰?」
 ニッコリほほ笑みながら…目が笑ってないよ!
 「絶対呪いかけないって誓ってくれる?もし破ったりしたら…しばらくなしだよ?」
 「うっ…わかった。聞かなければかけたくならないから聞かない。」
 行くぞと、いって穴をくぐらされて…。って…透明マント持ってないのに。
 そもそも皆の前だった――!
 
 「ハリー、そろそろ効果が切れそうだ。」
 「え!どっどうするの!?ここで元に戻ったら大変だよ!!」
 どうしようと思っている間に先を歩くヴォルからの衝撃的な告白。どっどうしよう!!
 「Mrポッタ―!!それとあなた!どこの寮生ですか!」
 誰かに聞いたのかこっちにまっすぐ来る先生が見えて…。
 「まっマクゴナガル先生!えっと彼は…。」
 「説明が面倒だ。」
 えっえええ!!!これってお姫様だっこ?じゃなくて!
 「こら!待ちなさい!!!」
 「隠し通路なら俺様もよく知っている。」
 マクゴナガル先生があっという間に曲がり角で消えて…。こんなことにまで隠し通路!?
 あの二人も知らなさそう…。
 
 城を出たところで影に隠れて…。
 「ヴォル、大丈夫?」
 「だいっじょうぶな…ハァハァわけ…ハァ…なかろう!俺様の歳を考えろ。見た目は今は若いがな。」
 うっうん。そもそもヴォルはインドア派だよね。若くても体力はなさそうな気がする。
 「今日は勉強はみないからな。」
 「うん。持ってこなかったし大丈夫だよ。」
 さてそろそろ移動するか、というヴォルから…煙!?
 「どんな魔法使ったの!?」
 「ちょっとした変身術の応用だ。…かなり無理やり変わったから戻る時に煙が出ているだけだ。」
 煙が消えるといつもの見慣れたヴォルに戻って、二度とごめんだという。
 「大丈夫?」
 「少しは疑われるような行動はしないことだな。今晩は立てなくしてやるから覚悟しておけ。」
 うっ…。だって…内緒にしなきゃと思うとどうしても…。
 「ヴォルのエッチ。ショタコン、変態。」
 「なっ!」
 「うそうそ、怒らないでね。」
 悔しくてそっぽを向いて言うとヴォルのこめかみに青筋が立って…慌てて怒らないでとその浮かんだ青筋にキスをする。なんか…すっごく嫌な予感がする。
 姿くらましの魔法で無事叫び屋敷にたどりついて…。解放されたのは日曜日の夜で。
 戻ってから100点の減点をされちゃったけども、無理矢理攫われたということで罰則はない…。
 というか相手を詮索されるかと思ったのに、ダンブルドア先生が相手なら大丈夫じゃっていうことで詮索なしだった。
 ヴォルが夜に言っていた様に本当にダンブルドア先生にはばれているのかも…しれない。
 グリフィンドールの皆は寮の減点よりも僕の恋人に衝撃的だったみたいで、しばらく噂が飛び交って。
 
 何やらハーマイオニーが少し意味深な笑みを見せていたけどきっと気のせいだ。
 ヴォルが無茶をしないように、これからは僕もしっかりしなきゃ。
 
 
 
 
 
 ~fin
 
 
 
 
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