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Un happy Dolle
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注意!
観用少女(プランツドール)ネタが書きたくなり書いた結果、
プランツドール?なほどにプランツドール成分3%ほどのパロディとはなにか。
それぐらいかけ離れたものになります。
世代がぐちゃぐちゃだったり、いつもの作風じゃない感200%なものになります。
それでも良ければお進みください。
何故かいたか?自分が読みたかったから!
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古く軋む扉を開けた男はやれやれとため息をついた。持ち主が居なくなって半世紀は経つという大きな家はずっしりと埃が積もっていて、清めの魔法を唱えたところですぐには綺麗にはならないだろうことが予想できた。
魔法薬学の研究に明け暮れ、追及していくうちに栽培できるものは栽培し、新鮮な状態かつ自分の理想の成熟行うことが一番だという答えに行きついた。
とりあえず玄関ホールをと綺麗にすれば、埃が積もって覆い隠していたそこにはアンティークの机があり、椅子があり……。少しかかりそうだな、と男……スネイプはため息をついた。幸い、時間だけはたっぷりあるのが唯一の救いだ。
この家はもともと魔法道具の研究者だかが使用していた家で、何やら魔法生物を飼っていたとかで誰も住んでいないまま半世紀たっても温室だけは損傷なく残っているらしい。
温室があり適度な広さで魔法薬を煎じるための地下がある……。長年勤めていた魔法学校の恩師でもあり同僚であった副校長の女性のつてで、この古い家を紹介された。教え子だという男の曽祖父が元の持ち主だそうだがスネイプにとってはあまり興味はないことで、その名前もろくに覚えていない。座れるようになったソファーに腰をおろし、ただ溜息をついた。
もともとの間取りと渡された図面を手にキッチン、リビング、書斎、寝室、バスルームととにかく必要な箇所だけを清掃し、やれやれと見まわす。まだゲストルームやらが残っているが後回しにしようと図面を見下ろした。改装をしていたのか少々実際の間取りとは異なるそれにその曽祖父というものが居なくなった後だれも住んでいなかったのかと呆れたため息しか出ない。
備品も書物もだれも把握できていないからそっくりそのまま引き渡すと言われ、半ばゴミも押し付けられた気がするが、書斎をみた感じではもう手に入らない書物もあり、不必要な本はあとで魔法学校に寄贈しようと大きな本棚を思い出す。
たとえここに莫大な富があろうとなんだろうとあなたのものにしていいという恩師の教え子はここの管理がなくなったことにほっとしているようだった。ならば遠慮はいらないと不必要なものを処分し、必要なものを新たに入れていく。
温室までこぎつけたのは二週間が経つ頃だ。保護魔法がされているのか、窓ガラスは割れておらず、ただ、住民が亡くなった後植物や動物などは取り去ったらしく、道具やら何やらがあるだけで考えていたような荒れ方はしていない。庭は酷い有様だったが、ここは大丈夫そうだ、と思ったところで奥の壁に違和感を覚えて近づいた。
それは目隠しのための魔法が切れかかっている扉の様で、うっすらその輪郭が見えていた。大木が植えられていたらしい枯れた切り株の後ろにひっそりと隠されているような扉。直感でここには大事な研究結果がある、と気が付き開錠呪文を唱えて扉を開く。
「これは……」
中を見たスネイプは思わず足を止めた。中には人形の手足の様なものがころがり、人形の図面だろうか、何かの図が張られている。魔法道具とは聞いていたがまさか、と日誌をめくる。
魔法で動く人形……ゴーレムや魔法人形、オートマタ、ドールなど様々な呼び名があるが、これらは全て魔法省が指定している、重要な禁制品として知れ渡っている代物を示すものだ。魔法の力で動き、自分で思考し、勝手に動く人形。まさかそれが作られていたとは思ってもみず、もしかしたら言い伝え程度に聞いていた子孫らはこれを恐れて早く手放したかったのではないか、そう勘ぐってしまう。日誌には扱い方がメモされていた。
曰く、1つ、目覚めはそのものが選んだ相手と対面したときだけ。それ以外では眠り続けること。
2つ、目覚めたドールは所有者が生きている限り動きを止めることはない。それゆえに、対面させる相手は慎重に選ぶこと。
3つ、彼らは一日3度のミルクと、週に一度の角砂糖だけでよいこと……
そこまで読んで本当にここで作っていたのか、とスネイプはさほど広くない部屋を見回した。部屋の隅の床に置かれた大きな箱に気が付き、近くによる。箱の蓋は蛇をあしらった鍵で施錠され、ボロボロの紙が乗っていた。かすれた紙にはハリーという名前が書かれている。この箱の宛先か、それとも“中身の名前”か。これらが作られたのは半世紀も前で、現存しているドールの話は聞いたことはない。スネイプが生まれる前に魔法界を震撼させた闇の魔法使いが関わっているという話を聞いた程度だった。鍵は解錠魔法で簡単に開き、スネイプはその重い蓋を開けた。中には思った通りドールが白い手足を丸めて入っていた。
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