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 テストの点が発表されるとハーマイオニーは悔しげに一問違いで負けてしまった自身の点数と、ヴォルの満点をみて絶対次こそはと闘志を燃やす。
 ヴォルはヴォルでやっぱりフリットウィック先生の点数が満点には届かなかったことに短く舌打ちをした。
 ハリーとロンも互いに不安だったが、二人の教え方が良かったのか、良い点数でネビルもまたハーマイオニーと巻き込む形で参加させられたヴォルの二人に教えてもらったおかげか、得意の薬草学以外何とか合格点を得て無事進級できることとなった。
 あっという間に洋服ダンスが空になり、迷子のトレバーをナギニが見つけて咥えてもってくるとホグワーツ特急の出る時間となった。
 
「すごい色々あった一年だったね。」
 行きと同じ3人と、そこにハーマイオニーが加わってコンパーメントは行きよりもにぎやかになっていた。
 
「夏休み中は魔法を使ってはいけないのね。」
 注意書をみるハーマイオニーはじゃあ家で練習はできないのね、と肩を落とす。
「確か未成年に反応する魔法だったかで魔法を使うと反応するとか何とか…。本で見た。」
 たしか…というヴォルはいつからだったか未成年が勝手に魔法を使わないようにする魔法があったと言うとロンもそうだったのかと兄達を思い浮かべてだから家では絶対に使わせてくれないんだと納得する。
 
 
「夏休みに3人とも家に泊まりに来てよ。梟を送るからさ。」
 キングズ・クロス駅に着く前に着替えを済ませた4人はもうそろそろ一カ月会えなくなるね、という。
ロンの誘いにハリーとハーマイオニーはもちろん、というとハリーが行くなら俺も行くよ、といういつも通りのヴォル。
「そういえばこの一年でヴォル、ずいぶん背が伸びたんじゃないかしら。そろそろハリーと一緒に寝るの狭いんじゃない?」
「あぁ、そうだ…服とか買い直さないと。魔法で伸ばしてはいたけど…今ロンと同じくらいか?」
 入ったばかりの時はハリーと同じくらいだったはずが、すっかり背を抜いたヴォルは同じくらいの目線にあるロンを見る。
ロンもまたそういえば、と思い返すと隣のハリーに目を移した。
「ぼっ僕はこれから伸びるの!それと、ハーマイオニー。多分大丈夫じゃないかな。」
 伸びるから!というハリーにヴォルはそのままでも十分可愛いと何も言わずになでるとハリーは伸びるんだから、と反論する。
 
 駅に着き、4人はカートを押してホームを出ると改札口へと向かった。
「彼だわ!ママ!ハリー=ポッターよ!」
「指をさすんじゃありません!」
 不意に聞こえた声に顔を向ければロンと同じ赤毛の少女と、女性がたっていた。
「妹のジ二―とママだ。妹ってば僕の友達はハリーって聞いてすっかりのぼせちゃって。」
「あ、セーターありがとうございました。」
 うるさくてごめん、というロンにハリーは苦笑するとウィズリー夫人にセーターのお礼を言う。
ヴォルもまたそうだと思い出し、ありがとうございますという。
「あら、あなたがロンの言っていたヴォル=セルパンね。大人のトロールを倒すなんてすごいわね。それに学年一位の成績だったって。ハリーの緑色の目もとってもきれいだけど、貴方のその赤い目も素敵ね。二人ともセーターを気に入ってくれてうれしいわ。」
「いえ…。えっと…ロンのチェスの采配もとてもすごかったんですから…なんというか…。」
 にこにこと一気に話すウィズリー夫人にヴォルは少し気押されつつ、ロンのチェスの腕をほめた。
あらそうなの?というウィズリー夫人にハリーとハーマイオニーも頷き、ロンが少し照れる。
 ふと、イライラした視線を感じて振り向けばむすっとした表情のバーノン叔父さんが立っていた。
「準備はいいか。」
 普通の人が行きかう中、梟と蛇の入った籠をもち大きなトランクを持った一同に苛立つバーノンはさっさとしろというと、ハリーとヴォルはロンたちに別れの挨拶をした。
「この夏休み、おじさんたちは僕たちが魔法を使っちゃいけないのを知らないから…。」
「ダドリーとも何とか仲良くやっていけそうだな。」
 ぶっきらぼうな態度のバーノンに心配気なハーマイオニーを振り返るハリーとヴォルはまたね、と手を振って家路へと着いた。

 
リバースライフ1 終わり

 
 
 




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