あなたといつまでも
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わかっていた・・けれども。
「僕にはあなたは殺せない!」
そう言ったとき、とても苦しかった。
「あなたなら、僕は殺されてもいい。」
「何を言うか。逃げるな。これも運命だ。」
彼の作り出した剣が胸をかする。
それに対し、本能的に剣を弾き返し反撃する。
僕を抱いてくれたその胸も…腕ももう鮮血が流れていた。
僕の抱き返していた腕も…顔も…もう血が流れていた…
「俺様は…お前のためならば死も疎んじまない。」
やめて。そんなこと…言わないで。
「さぁお互いに最後の一撃としよう。もう無駄に傷付けるのはやめよう。」
理由もなく涙が頬を伝い落ちた。
赤い眼で見つめられ、無意識に頷いていた…
「ではハリー…互いにさらばだ。」
「さようなら…ヴォルデモート…いやトム」
本当に一撃だった・・。彼の繰り出した剣は頬をかすめぐらりと倒れる…。
「…だ…。ハリー…。俺様と…お前は…永遠だ…。」
「ヴォル…。」
剣から手を離し、一歩下がると彼は崩れるように倒れた…。
「ハリー!あなたやったのね!ついに例のあの人を倒したのね!」
「ハリーよくやった。」
「ハリー!!!…ハリー?」
皆が称える声が聞こえるけど…
僕の目の前に横たわる愛しい人…
腰を抜かしたみたいだ…地面がとても近い…
不意に目の端にヴォルの剣が見えた…
そうだ…僕の剣で彼は倒れてしまったんだ…
なら僕は…
彼の剣で…
「ハリー!!!」
抱きかかえるように深深と刺し
彼の上に覆い被さるように倒れる…
すぐ側に見えるのは彼の閉じられた瞼…
「なんと言うことじゃ。ハリー…。」
うっすらと笑うと彼の顔を前に意識を失った
目を開ければ白い靄のようなところにいた
向こうのほうにヴォルがいる…
僕は彼の胸に飛び込んだ
~fin
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