「窮鳥懐に入らば…」
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 授業の終わりを告げる鐘の音が鳴り、地下にある魔法薬学の教室から出たハリーははぁとため息をはいていた。
「なんだってあそこまでハリーを目の敵にするんだろう。」
「課題2倍なんて…。私もできる限り教えてあげるから元気出してハリー。」
 元は確かネビルの魔法薬が失敗し…爆発音にびっくりしたハリーの手元からユリの球根の様な固まりが飛んで鍋に落ち…
本当にわずか跳ねてしまった水滴の行きつき先にスネイプがいて…
減点と共に罰として追加で課題を命じられてしまったのだ。
 事故としか見えないにもかかわらず、難癖をつけるスネイプは聞く耳を持たず、もし課題の提出が遅れれば更なる減点も辞さないとそう授業の終わりに言われてしまってはハリーのため息も重くなるものだった。
 見かねたハーマイオニーが手伝うと言ってくれたが、聞いたこともない薬の製法なんてレポートにまとめ上げられるわけがない。
「明日から週末だから…焦らずやりましょう。」
 そう励まされ、とりあえず共通の課題を片付けることに集中する。
 
 唸りながら片付けていると、ハリーのもう一つの課題が書かれている紙を読んでいたハーマイオニーはどうしましょうと小さくもらした。
「これ私たちの学年じゃ習わないわ。だってほら、これ…上級生の課題じゃないかしら。」
「うわー本当にいやな奴。グリフィンドールから減点する気まんまんじゃんか。」
 名前だけなら教科書に載っていたいたわ、というハーマイオニーが示すところには上級生らが使っている教科書の名前が書かれており、詳しい話は全くのっていない。
「ハリー!明日スリザリンが抑えていたクイディッチの練習、キャプテンの奴が課題があるとかで急に空いて、キャンセル待ちだったのが使えるようになったぞ!明日昼食後、練習だ!」
 談話室で課題に取り組んでいたハリーにウッドがやってくると、やっととれたよと嬉しそうに明日の練習について時間を伝える。
なかなかとれなかった練習場所が手に入り、喜ぶウッドはそれだけ伝えると、フレッドとジョージを探しに行ってしまう。
「絶対スネイプだ…。」
 うめくハリーにロンとハーマイオニーは自分の事のように怒り、絶対にレポートを出して嫌がらせに負けないようにしようと頷きあった。
 
 
 夜になると、ハリーはそっと透明マントを着て寮を出た。
明日やるとは言ったが練習でへとへとになってやるのはできれば避けたい。
図書室に行けば一応教科書の類も読めるため、できる限り今やってしまおうと、足音を立てないよう誰もいない廊下を歩く。
 誰もいないことを確認し、中に滑り込むと魔法薬のある棚を見上げ、薄明かりで見える背表紙をたどる。
めぼしい本を見つけ、開くと閲覧禁止の棚ではないためか叫びだすということはなく、手早く目的の薬を探した。
本の中ほどで見つけると持ってきた羊皮紙に材料や作り方、注意点を書き写す。
 詳しいことは明日見ればいいとして最低限のメモがあれば随分違うはずだ、とメモをとっていると、がらりと戸の開く音がしハリーは体をこわばらせた。
書くために灯していた明りを慌てて消すと、じっと足音を聞く。
「ミセス・ノリス…誰かいるのかな?」
 声の主はフィルチで、どうやら猫の後をついているらしい。
猫はハリーのいる通路にくると、なんとなく気配を感じているのか、ハリーの方を見つめる。
動物にも効いていることはわかっていてもハリーは息をひそめ、じっと猫とフィルチを見つめた。
 
 ふと、別の足音を聞き、青ざめる。
「これはスネイプ教授。」
「何かあったのかね?」
 立ち止まるフィルチと棚に隠れて見えないがスネイプの声がし、思わず立ち上がったハリーのひざから本が転がり落ちる。
 あっと思いマントから出ないよう抑えるが、本がわずか先に床に触れてしまい、静かな図書室に物音が響いてしまう。
「誰かいるのかね?」
 鋭く飛んできたスネイプの声に身を縮ませるハリーはじっとスネイプの行動を見つめる。
スネイプはハリーのいる通路にやってくると、中途半端な姿勢で動けないハリーのすぐそばにやってきて棚を見上げた。
「どうやら誰か侵入し、本を勝手に持ち出しているようですな…。我輩がこちらを探しましょう。閲覧禁止の棚の方を探していただけますかな。」
 ハリーの手元にある本が収まっていた場所を目ざとく見つめるスネイプはフィルチを振り向き、この辺一帯は自分に任せるようにいう。
 了承するフィルチと猫が立ち去ると、スネイプはハリーがいる場所を見下ろす。
「ロコモーター。モルティス」
 低く唱えられた呪文にハリーは足が動かずその場に倒れ込む。
倒れる瞬間、スネイプのふるった杖により音は全く立たなかったが、スネイプはそのまま他の場所を探すふりをしてフィルチにもういないようだ、と報告する。



 念のため図書室をもう一度巡ってから施錠すると、フィルチに言うと十分離れたころを見計らい内側から施錠して、ハリーのいる場所へと戻ってきた。
「さて…。夜中にこそこそと…。」
 見えない何かを掴むスネイプはそれを勢い良く引きはがし、足が縛られたハリーを見下ろす。
「英雄殿は夜中に我が物顔で闊歩し、本を読んでいいものだと考えているのかね。」
 杖を向けながら見下ろすスネイプはハリーにかけた足縛りを解きつつも、口角を上げる。
今言い訳をすればどんな減点が来るか…。
 焦るハリーの手元を見るスネイプは自分の出した課題を片付けていたことに目を止め、にやりと嗤う。
 
 薄明かりで見下ろすスネイプにハリーは逃げれば罰則…それだけではない。
最悪退学させられてしまうかもしれないと、不安げにスネイプを見上げる以外できない。
理不尽さには睨むこともできるが、今禁を犯しているのは自分であり、逆らうことはできなかった。
「さて…勝手に施錠された図書室に入り…本を閲覧していた生徒には退学…あるいは100点ほどの減点…。」
「すっすみません!たっ退学は…。罰則でも何でも受けますから…。また寮の皆に迷惑をかけたくないんです。お願いします。」
 嗤うスネイプの言葉にハリーは必死に懇願すると、罰則を受けますからお願いしますという。
目を細めるスネイプはなんでも?と聞き返す。
はい、と返すハリーにさらに口角を上げるとでは、と口を開いた。
続けられる言葉に退学のほうがよかったと、そう後悔することとなった。
「ポッター。服を脱いでもらおうか。」 
 
 
 何を言ったのか、一瞬分からなかったハリーだが、スネイプの杖が一振りされ服がはだけられるとはじかれるようにして逃げようと踵を返し、足がもつれてその場に転ぶ。
「ほう…自らやり易いようにするとはな。」
 ぐっとうずくまるハリーに杖を振るい、細い紐を出して暴れるハリーの腕をそれで固定する。
 放せっというハリーの上に覆いかぶさると下着ごとズボンを下ろし、足の動きを封じると、ひんやりとした空気にさらされたまだ幼いものを握りこんだ。
 びくりと体を震わせるハリーの耳朶をなめるとくつくつと笑う。
「一度自分から出した妥協案を都合が悪くなると撤回しようとするとは…。英雄殿は傲慢でいらっしゃる。」
「はなしてっ…こんな…こんなことして…ひぅっ!耳やめてっ!」
 上から押さえこまれ、動けないハリーを抱きしめるようにはだけた服に手を入れ、胸元をなでると、まだ柔らかな実をつまみあげた。
 何が起きたのか分からないハリーは耳に直接注ぎ込まれる湿った音と、耳朶を好き勝手舐めあげる少し硬く柔らかいものにぞわりと背筋を震わせ、やめてと弱弱しく懇願する。
 下半身のまだ性を知らないものは的確に感じる場所を弄るスネイプの手の中で力を得て、ハリーの意思とは反対に徐々にその姿を変えていく。
 その手とは反対の手で弄ばれる胸は、スネイプが押し込む感触から硬く尖り、びりびりと腰に向かって何かを走らせていた。
 
「いやだという割には…聞こえるかね?この音を。」
 耳に直接吹きこむように囁くスネイプは耳から離れ、その首筋を軽く咥える。
何の音、と振り向きかけたハリーはほかならぬ自分の弄ばれているものから湿った水音を聞き、違うと顔を赤らめたままゆるく首を振った。
「何が違うというのかね。先ほどから我輩の手を濡らすほど溢れているというのに…。嘘はよくないなポッター。そういう悪い生徒には罰則が必要だ。」
 ぴんっと胸の実をはじくと、スネイプはハリーの胸から手を退ける。
かちゃかちゃという金属音に、何が起きるのか分からずただ嫌な予感に首を振る。
 突然何か硬く熱いものが最奥に当てられ、びくりと体を震わせた。
熱いものはハリーの最奥をこすり上げ、何度もその締まった場所を刺激する。
 最奥をえぐるように何度も何度もこすり上げる感覚に、いつの間にか解放されていた幼いものは完全にそりかえり、爆発する前のようにフルフルと震える。
 いやだとつぶやいていた声がスネイプの動きに合わせて吐息に変わると、スネイプは最奥をえぐるようにこすり上げていたものをハリーのものに触れるように足の間に移動させた。
 閉じた足を押さえつけ、ハリーのものをスネイプの欲望がこすりつける感覚に、ハリーの目の前がスパークする。
 爆発寸前だったものが、別の熱いものに激しくこすり上げられるといとも簡単にそれは決壊した。
「ひゃぁっ!ぁ…」
 びくびくと体を震わせ、噴き出すハリーの体が緩和すると、スネイプは先ほどまでこすり上げていた最奥に自らの切っ先をあてがい、軽く咥えさせる。
 快感に流されていたハリーはその違和感に眉を寄せるが、まだ誰の侵入も許していないそこに熱いものが注ぎ込まれた。
 体の中を満たすような、浸食するような熱にハリーは背をのけぞらせ、出したばかりのものを先ほどよりも硬く、そり立たせてしまう。
 
 注がれたもので滑りが良くなったのか、そのまま奥へと進むと、ならされていないハリーは痛いと小さな悲鳴をあげた。
小刻みに入っては戻し、さらに奥に進んでは戻しを繰り返すスネイプは最後とばかりに深くハリーとの隙間がないほど奥に押し込んだ。
 その瞬間、ハリーの体が再びびくびくと震えたことにスネイプは嗤うと、欲望のままに激しくハリーの体を突き上げた。
上半身はスネイプが再び覆いかぶさったおかげで動かず、がっちりとつかまれた腰は全く動かない。
それでもなお激しく突き上げるスネイプにハリーは喘ぎ、無意識に腰をその動きに合わせて振る。
 
 
 ぴくぴくと体を震わすハリーは最後の後片付けだというスネイプに起こされ、先ほどまでハリーに穿っていたものを小さな口にくわえさせた。
「きれいに舐めとりなさい。できたらご褒美をあげよう。」
 疲れきってどうすることもできないハリーはのろのろと緩慢に動き、言われたとおりに舌をはわして吸い上げる。
必死に舐めるハリーの頭をつかみ、最奥と同じように激しく動かすスネイプはそのまま喉に向かって欲望を吐き出した。
 突然口を満たすそれに驚くハリーだが、スネイプに抑え込まれ身動きが取れない。
仕方なく、必死に吐き出されるものを飲み込むと、口の中のものがなくなったことを確認するようにスネイプのものがとりさらわれ、ハリーを抑えていた手が離れる。
 力なくその場にうずくまるハリーにスネイプはくつくつと嗤い、破れた寝巻を杖で元に戻す。
「ポッター。明日、消灯時間後に我輩の部屋に来るように。もし来なければ…この写真をスリザリンの男子シャワー室に飾っておいてやろう。」
 いつ撮ったのか、スネイプの手にある紙には白い体を薄明かりに浮かべて喘ぐ自分の姿を見つけ、ハリーは唇を震わせた。
 呆然とするハリーに透明マントをかぶせたスネイプはでは明日、と言い残し、立ち去って行った。
 
 
 追い詰められた鳥が飛び込んだのは狡猾な猟師の懐…
   焦がれた鳥が飛び込んだのなら、出口をふさいで閉じ込めて
     逃がしはしない 人の道から外れても、お前を放すことはしない





 
~fin

 



図書館、見回り、スネイプ教授!と謎の連想をして爆発いたしました。
題名考えているときにこのことわざを知りました。


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