ネビルの冒険
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僕は最近、ハーマイオニーのおかげで、夜にあの薄気味悪いジメジメした地下牢に行く事はなくなっていた。
本当に寝る前にあのスネイプ先生なんかと目が合ったりでもしたら…悪夢で寝られないよ!!!
でも、ハリーの方が断然かわいそう。だって僕はレポート再提出だけれども、ハリーは罰則で行かなきゃならないんだし…。結構頻繁に罰則言われている…ちゃんと寝ているかなぁ。
「あら、ハリー。今日も罰則?」
あ、ハーマイオニーの声だ。暖炉の前で3人とも集まっている。
「あ、うん。そうなんだよ。」
「今日も!?がっ頑張れ?」
ギョッとしたような顔でロンが応援しているけど…ぼくも応援すべきだよね!
「うん。あ~今日は久々に罰則で憂鬱だなぁ~。そういえば…今日は野外で罰則って聞いたよ。」
野外で!?何をさせるんだろう…まさか危険な森で薬草摘みとか?
「ハリー…もう少し隠したら?まったくもう。」
よし、勇気を出して声をかけるんだ!
「やっやぁハリー。今聞こえたんだけどまたスネイプ先生に変な罰則受けたんだって?」
「あ~うん。そうだよまったく。あの陰険教師。そろそろ時間だ…じゃあ行って来るね。」
頑張れ!我等がハリー!!!
あれから1時間…ようやくレポートが終わったけれど…ハーマイオニーは忙しそうだし…しょうがない。
行くしかないか。
ハリーの話では外で罰則だっていうからきっと大丈夫…うん。大丈夫のはず。
うぅぅ。玄関ホール…人がいないと怖いなぁ~。
早くしないと戻ってきちゃうかもしれないけれども…。
「先生やりすぎ!!!」
「なんだ急に。お前が誘ったのだろうが。」
何!?今の声。すんごく聞き覚えのあるような…。
しかもこの規則正しい靴音。
玄関ホールからちょうど戻ってくるところらしい。
けど逆光で誰だかわかんないよ!
「誘ってないよ!!ただ僕がして欲しいことを当てみてって言っただけじゃんか。」
「当てただろうが。その報酬ではないのかね?」
「でも明るかったから恥ずかしかった…。」
「そのわりにはずいぶん気持ちよさそうだったが?」
「先生の馬鹿って…うわっ!?」
背の低い影が突然背の高い影と重なっていわゆるお姫様抱っこになった。
あぁ!そうだ!早くこれを置いてこなくっちゃ!!
あの二人がどこに行くのかなんてわかんな…くもないような気もするけど出さないと単位が取れないよ!
ほぼ駆け足でホールを横切り…って向こうはぜんぜん気が付いてないみたいだけど、地下牢に続く階段を駆け下り、魔法薬学教室の提出物置き場にレポートを出す。
これで安心だ~。
「あ、そうだ!先生、羽根ペン忘れちゃったみたいだから探してもいい?」
「まったく。常日頃からきちんとしていれば忘れ物などしないというのに。」
何でだか知らないけれど、すぐ脇にあった机の陰に隠れる。
なんでよりによって入ってくるんだよ~~!!!!
「あったあった。これ先生に貰って、書きやすくって気に入ってるんだ。やっぱりここに忘れてたんだ。」
ん~…スネイプと仲のいい生徒…でもこの声、みょ~に聞き覚えがあるんだよなぁ…。
「ほう。気に入っているものを忘れていくとは…よほど何かに気をとられていたと思うのだが…。何に気をとられていたのかね?」
「え!?えっと…それは…。」
「授業中、私の顔を見ていたようだが…。違うかね?ハリー。」
ん…?
今…今なんていったの!?
いやきっと違う人だ。
そう、名前が同じ人なんて案外いるんだし…。
「そっそんな事ないよ!!!最近先生の課題が多すぎて来られなかったからまた出されたらどうしようと思って…。」
「なるほど。ではハリー。嘘をついた罰として…。」
「うっ嘘なんて…。」
あれ…?何にも聞こえなくなっちゃった…。
ん…?水の跳ねる音…?恐る恐る角から顔を出して伺ってみると…●×@▽■*α#◎$!?!?
「ハッハリーが…すっすっすっすっスッスネイプときっきっきっきっきっきっきっきっきキス~~~!?!?!?!?!?!?!?」
「そこにいるのは誰だ!?」
教室に明かりがともる…。
スッスネイプに殺される~~~~~!!いっいやだ~~~●×@▽■*α#◎β△
「ネビル!?」
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」「ごふっ!」「せっ先生!?」
闇雲に地下牢を飛び出して一気に廊下を走りぬける。
途中…というよりも飛び出したときに何かにぶつかったかもしれないけど…きっ気のせいだよね。
…
…家に帰りたい…。
「ネビル!?どこ行ってたのよ!!」
「まさか…魔法薬学の教室には入ってないよな…?」
グリフィンドールの談話室に転がり込んで2人の顔を見た途端、やっと現実の世界に戻れたような気がして、
「実家に帰らさせていただきます」
僕は気を失った。
~fin
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