懲りないカップル

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月明かりもとどかぬ地下牢。
魔法薬学教室のすぐ近く…少年の喘ぐ声が扉の向こうから僅かに聞こえる。
「ハリー…。」
「あ…やっ、、、イっちゃ…。」
「ならば私も同時にイかせてもらおう。」
朝が顔を出すほんの2時間前。
行為を終え、静かなる眠りへと2人は入っていった。


「せんせぇ…。明日起きられる?」
寝る寸前にスネイプに聞くと口端を吊り上げ、笑う。
「あぁ。大丈夫だとも。」
二言三言呪文を唱えるとハリーを抱きかかえるようにして眠りに落ちたのであった。


目が覚めたハリーは間近にある恋人の寝顔にどきりと胸を高鳴らせた。
つい数時間前まで自分を見つめていた眼は閉じられ、名前を呼び、囁いていた口は静かな呼吸を繰り返している。
(先生より早く眼が覚めちゃった。)
普段ならハリーのほうが遅く、濃厚な口付けで眼がさめるのだが今日は違う。
いつもは見れない恋人の寝顔にハリーは見とれていた。
はじめて見る無防備な寝顔。
そんな寝顔にハリーは口を寄せた。
起こさないよう、軽く触れるだけの口付け。
耳まで真っ赤にし、すぐに離れようとしたのはずが…。
「!?」
「もっと深くやらねば目覚めぬだろうが。」
離れようとしたハリーの唇を啄ばみ舌を滑り込ませ奥に引っ込んでいた舌を吸い出す。
「ん…くぅ…あ、、、ぅん……」
いつも以上に濃厚な口付けにハリーの身体は火照り始めてしまった。
「…せっかく人が寝たフリをしていたというのに。」
「せっ先生起きてたんですか!?」
「無論。ハリー。私がお前よりも遅いわけが無いだろう。」
そう、話を1時間ほどまき戻すとこうだ。

呪文により、天窓からありえるはずのない朝日を浴びたスネイプは目を覚まし、隣で静かな寝息を立てているハリーに口付けを落とそうとして止めた。
自分を起こそうとするハリーを見てみたいと思ったからだ。
ハリーが起きるまでの間柔らかな頬をつついてみたり、いくら撫で付けても跳ね上がる髪を弄んだりし、僅かに目覚める気配を見せたハリーに寝たフリをしてみたのだ。
そしてそのたくらみは成功し…。


「いつも早く起きる私をどう起こすかを見物してみようと思ったのだが…。」
 そう言い、ハリーを組み敷くと唇をその顔に降らせ、次第に首筋へを移動していく。
「やっ…せん…せぇ…こんな朝に…。」
「私の期待を裏切った罰だ。」
 にやりと笑うと行為を続ける。
もしも期待に添っていたとしても朝から煽ったといい同じ事をしていただろう。
「せんせぇの…ばか…。」
「呼び方が違うだろう。ポッター。」
耳朶を甘噛みし、耳元で囁くとびくっと反応し、顔を赤らめる。
「ひゃっ…セブルスだって…。ちゃんと呼んでくれないと…」
「愛しているハリー。」
お互いにファーストネームで呼び合うと唇を重ね、つい数時間前に行なっていた行為を再開する。
「んぁ…せ…セブ…。今日授業あるのに…。」
「朝ご飯は此処で食べればよかろう。」
 無理をさせないよう手加減はするものの、愛撫に素直に反応するハリーに加減が出来なくなる。
少し解しただけで難なく受け入れたハリーの蕾にスネイプは手加減も忘れて腰を動かす。
「セブ…あ…んぅ…イッちゃ…。はぁんっ…。」
「私もイきそうだ…ハリー。」
 2人は同時に高みへと動きを早めていた。

「スネイプ先生!!!!」
バタンと言う大きな音を立て、部屋に怒鳴り声とともに乗り込んできたのは…
「まっマクゴナガル先生!?どっどうしてここに…。」「扉には封錠の呪をかけたはずだが…。」
 驚く二人をよそに寝室の扉が勢いよく開かれる。
「スネイプ先生!ポッター!朝食の席にきていないと思えば…。一体何をしているんですか!!!!ウィーズリー兄弟とグレンジャーが先ほどから探してます!!!それにスリザリン寮生たちも心配そうにしています!!!此処は学校だという事を忘れないでください!!!!早く起きて…」
一気にまくし立て、冷静になると目の前の光景にようやく気が付いたようだった。
顔を真っ赤にし、背を向ける。
「お早めにシャワーを浴びて大広間に行ってください!あなた方が此処を出るまでソファーに座って監視してますからね!」
今にも地響きが聞こえそうなほど足を踏み鳴らし、マクゴナガルはどかっと座った。
「……………………………………。」
お互いに顔を見合わせどうしたものかと考えていると・…
「さっさとしなさい!!!!」
という怒声でびっくりしたスネイプが立ち上がろうとし…
「あ!ちょっとセブ…ひっ…んは……」
 すっかり気が動転していたスネイプは未だハリーと繋がっているを忘れてしまっていたのだ。
普通は忘れないのだが…それだけ動揺していたらしい。
急に動かれてびくんと絞めつけるハリーに慌てて抜き取る。
「あ…。すっすまんハリー!だっ大丈夫かね?」
「~~~っ!先生の馬鹿!普通忘れないよ!」
「すまん…。」
「ス~~ネ~~イ~~プ先生…ポッタ~~!!!いいかげんにしなさい!!!!」
「「はっはい!」」
 
 近くに脱ぎ捨てていたローブを適当に羽織り、浴室へと2人は入っていった。
「びっくりした~~…。」
「さて。どうしたものか。」
「え?」
 スネイプの困り果てたような声にハリーは首をかしげた。
その姿を見たスネイプはふっと口端を上げ、ハリーの耳元で囁く。
「まだ終わっていなかっただろう。」
 ほれ、と言わんばかりの顔でハリー自身をなで上げる。
そこは驚きで萎えかけてはいたが明らかに熱を持ったままであったのだ。
スネイプもまた隠してはいたが覚めていない熱をもてあまし、ハリーの腰へと押しつける。
「それだったら先生も…。」
「あぁ。…。手早くやってしまおう。」
 ハリーを横たえ、再び入れる。
 声を立てぬよう手を舐めさせ、絶頂に向けてお互いに腰を揺らす。
言葉を掛けられない分ハリーの耳元を舐め、小声でささやく。
ものの数分であっけなく果てたハリーの中にスネイプも己の欲望を吐き出した。
余韻で動けなくなっているハリーの身体をシャワーで洗い流す。
「まぁたまには声を出さないというスリルも良かろう。」
「セブルスのばか…。またマクゴナガル先生が来ちゃったら大変じゃんか。」
「今度はもう少し強力な呪文を掛けておくとしよう。」
「授業中に居眠りしちゃうよ…。」
「私の授業中に居眠りでもしたら居残り罰だ。もちろん朝まで付き合ってもらう。」
「うわっ!鬼!セブルスのエッチ!!」
「ほう。今になってわかったのかな?」


 この十数分後、怒りの魔人阿修羅さえも怖がるほどの形相をした、マクゴナガルがシャワーの音にかき消されなかった会話について2人を待ち構えていた、というのは言うまでもない。
怒りに身を任せ、現場をもろに見てしまったマクゴナガルが、目の前で抱き合っているという悪夢に3日間うなされたという事は関係者以外に誰も知られてはいない。

 
~fin

 



ようやく例のシリーズ物(?)とは違うものを書きました~☆
確か…前に日記で書いたと思うのですがこの話、私が朝に見た夢です!
朝から何を見ているんだという話ですが…
マクゴナガル先生…悪夢にも負けずガンバ。
にしても…また見たいな。(え!?
2019:割と修正

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