双子の悲劇

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僕たち二人、
誰といわずとも知れた名前
ホグワーツを知り尽くし、いたずらに使っているのは
僕たち人呼んで人間ブラッジャー。
そう。双子のフレッドと
ジョージさ!

さてさて、今現在、僕たちはとある生徒に夢中だ。
闇の帝王を追っ払い、最高のシーカーである少年。
そう
ハリー・ポッター。
彼は僕たちですらも魅了するオーラをわずかながらに…いや最近更に強く放っている。
2、3ヶ月前まではハリーは僕らとの付き合いも良かった。
それが今では…
「マイハニー!ホグズミードで夕焼けを僕らと見ないかい?」
「あ、ごめんフレッド。ジョージ。僕これから用事があるんだ。ごめんね。あぁ!もうこんな時間だ。早く行かなきゃ。じゃ。」
っと、まぁこんな感じ。
最近夜の談話室にハリーを見かけない。
平日はたまにいないけれど…週末は絶対にあえない。
寝室にもいない。
ご丁寧な事に地図までも無い。
 
「「はぁ。」」
 恋する俺たちの溜め息は尽きない。
「どうかした?最近よく溜め息をついているみたいだけれど。」
「おお!ロン!そうだ。お前に聞きゃあよかったんだ。」
「僕たちはなんてまぬけなんだ。」
「どっどうしたんだよ。」
「「ずばり、ハリー最近おかしくないかい?」」
 驚いた事にそれに反応したのはハーマイオニーだった。
彼女らしくなく、羊皮紙にインクをポタポタとたらしてしまっているじゃないか。
「う~~ん。僕もそう思っているんだけれど…ってハーマイオニーどうしたんだよ!?」
「何でもないわ。気にしないでちょうだい。」
 怪しい。
「もしかして…何か知っているのかいハーマイオニー?」
「いえ。何でもないわ。あ、でもひとつだけ。ハリーの隣はすでに埋まっているわよ。諦めなさい。それじゃあ魔法薬学のレポート出してくるけど…ロン、持っていくからちょうだい。あ、あとネビルも変身学のが残っているでしょ?」
「わぁ。ありがとう。さっきやっと終わったんだよ。ハーマイオニーありがとう。」
「どういたしまして。」
 そのまま彼女は穴をくぐって行ってしまった…せっかく情報を持っている人がいたのに…。
僕たち二人はがっくりと肩を落とした。


「マイハニー――!」
「散歩しにいか…」
いくらなんでも用事なんてないだろう。
昨日も一昨日も用事があったんだから。
って思っていたのに!!!!!
「ポッター!昨日のレポートの事で質問がある。ついて来たまえ。」
 糞!陰険教師!根暗!蛇!なんだってこうもタイミング悪くやってくるんだ!!!!
「はっはい。スネイプ先生。」
 あ~俺たちのマイハニーが虐められる…しかし相手が悪い。
 あのスネイプだ!最近罰則を受けたばかりなんで今週は嫌だ。
 すまないマイハニー。
 助けられない。
「…あれ?どうしたの二人とも?何か言いかけていたみたいだけど…」
「ポッター。早くきたまえ。貴様に時間を割くのが惜しいくらいなのだからな。」
 だったらなんで連れて行くんだよ!!!

「くっそ~~~~!!!」
「くそくそくそ!!」
「「くっ!!!」」
「うるさい!!!!」
 只今勉強中のハーマイオニーに怒鳴られ、僕らは叫び損ねてしまった…。
 此処は談話室。
ハリーの事を聞きたいけれど…パーシーの例がある。
辞めておこう。
すでに夜10時の出歩き禁止時間だ。
まだハリーは帰ってこない。
まぁ連れて行かれたのが…8時くらいだったから…何か不当な罰則を受けているのかもしれない。
「そういえばジョージ。」
「どうしたんだ?フレッド。」
「よ~~~く思い返せよ?」
「あぁ。僕も気になっているんだ。」
「前にもこんな事があったよな。」
「うん。うん。ハリーを誘おうとして…誰かが連れて行くことだよな。」
「今回もあの時も、スネイプじゃなかったか?」
「そうだよ。そうなんだよ。タイミングがよすぎんだよ。」
「このまえハーマイオニーが言っていた『ハリーの隣はすでに埋まっている』ってことはまさか…。」
「げっ!でもスネイプとは限らないんじゃないか?いや絶対に違うね。」
「そうだよな犬猿の仲で、しかも教師と生徒だもんな。」
「でもどっちにしろハリーには恋人がいる。」
「じゃあ誰だ?」
 ここで僕らは暫し黙りこんだ。

あ。

「「忍びの地図!!!」」
「もう二人ともうるさい!!ハリーは放っておいてあげて!!」
 怒るハーマイオニーは僕らが階段に登るのを制しようと動いたが・…人間ブラッジャーをなめてもらっちゃあ困る。
「あ!」
一足早く階段に登り、ハリーの寝室に転げ込む。
フレッドが見張りで
ジョージが捜索☆
「あったぞ!!!」
 すぐに見つかった。
 案の定トランクの中に入れっぱなしだったし。
「我、よからぬことを企む者なり。」
地図をくまなく探す…いた!まだ教室だ。
「ハニー救出作戦だ!」
「いくぞジョージ!」
地図を見つつ地下牢に急ぐ。





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